日本の原風景をめぐる飛越の旅

世界遺産登録20周年[岐阜県・白川郷/富山県・五箇山]

飛越の旅

今も結ばれる心、白川郷。

 

 青い空と澄んだ空気。清らかな水を湛えた水田に、合掌造りの家々が逆さまに映る。世界遺産白川郷合掌造り集落に広がるのは、懐かしくも穏やかな日本の原風景だ。
 人が手を合わせたように見える合掌造り。その角度は急でおよそ45度から60度もあるという。これは積雪時の屋根荷重を支えるのに都合がよく、また大きな切妻屋根は、厳寒期における養蚕などの作業が十分行えるほどの室内空間を屋根裏にもたらしている。多くの合掌造りの家は妻を庄川と平行の南北に向けて建築されている。これは屋根に対する冬場の日当りの確保と、風通しを良くし、夏場の室温上昇を防ぐためだといわれている。
 そうした工夫に満ちた茅葺き屋根も、40~50年毎に葺き替えが必要で、〝結ゆい〟と呼ばれる住民たちの相互扶助組織により行われてきた。ほかにも住民たちは厳しい生活環境の中、田植えや稲刈りなどの農作業や、様々な生活の営みを維持していくために対等に力を交換しあい、たくましく共存してきた。その極めて美しく日本的な人とのつながりは、四季折々の彩り豊かな自然の中、決して途切れることなく、現在も守られ続けている。世界遺産・白川郷を訪れたなら、温かい人との触れ合いを是非感じてもらいたい。

日本の原風景をめぐる

  1. 名物硬豆腐の田楽

    城山天守閣展望台

    白川郷の荻町集落を一望できる展望台。食事処や出店もあり、
    名物をほおばりながら景色を楽しみたい。
    05769-6-1728

  2. 手打ちそば処 乃むら

    手打ちそば処 乃むら

    そば粉8割、小麦粉2割ののどごしのよいそばが楽しめるカウンターのみのお店。そばの実は地元白川郷周辺で採れたものを前日に石臼でひき、目の前でゆでてくれる。
    05769-6-1508 11:00~16:00(そばがなくなり次第閉店) 盛りそば850円 不定休

  3. 和田家

    和田家

    築300年を超す、白川郷の代表的な合掌造りの名家で、国の重要文化財。現在も住居として使われているが内部の見学が可能である。
    05769-6-1058 9:00~17:00 300円 不定休

  4. 明善寺郷土館

    明善寺郷土館

    文化財の庫裡(くり)、鐘楼門、本堂、イチイの木によって知られる由緒あるお寺。階上には郷土の民具などの資料が展示されている。
    05769-6-1009 8:30~17:00 300円 不定休

  5. 野外博物館合掌造り民家園

    野外博物館合掌造り民家園

    県の重要文化財9棟を含む25棟の合掌造りを保存、公開。主屋だけでなく、神社やお寺本堂、水車小屋等も見学できる。
    05769-6-1231 8:40~17:00 500円 
    木曜日(但し木曜が祝日の場合は前日)

 

小さな、日本の故郷五箇山

 富山県の五箇山は、白川郷から車で約30分の所に位置し、平家の落人が住み着いたといわれる村であり、相倉・菅沼の両集落が白川郷の荻町集落と共に世界遺産に登録されている。
 元々は赤尾谷・上梨谷・下梨谷・小谷・利賀谷という5つの「谷間」が「谷やま 間」と転じて五箇山と呼ばれるようになった。
 この地方は〝民謡の宝庫〟で、30にも及ぶ民謡が伝承されていた。特に有名なものは「こきりこ節」と「麦屋節」。さらに富山市八尾の「越中おわら節」と合わせて〝富山県の三大民謡〟と呼ばれ、民謡の披露の機会には多くの観光客が訪れる。中でも「こきりこ節」は日本で最も古い民謡のひとつで、大化の改新の頃に発生した田楽に由来する。そのなかの「ささら踊り」は五穀豊穣を祈り、「ささら」という木製の楽器を打ち鳴らしながら唄い踊る。
 また五箇山は和紙の里としての歴史も古く、奈良・正倉院文書に「越中国和紙」という記述が見られ、1200年前には朝廷へ和紙を納めていたともいわれている。江戸時代には加賀百万石二代藩主前田利長公に贈られたという記録もあり、「五箇山和紙」は塩硝(火薬の原料)とともに加賀藩の手厚い庇護を受けながら発展した。合掌造りの家々は、こうした藩の指定生産物を工場のように製造するのに適した形態であったともいわれている。

  1. 1.菅沼合掌造り集落
  2. 2.相倉合掌造り集落

日本の原風景をめぐる

「ささら」とは薄い木の板108枚を紐で繋いだもので、頭に山鳥の羽をつけた笠を被った男の踊り手が鳴らす楽器の一種。こきりこ踊りは毎年おわら風の盆前夜祭と合わせて開催され、両方訪れる観光客も多い。

  1. 五箇山豆腐(喜平商店)

    五箇山豆腐は水気も少なく堅いので、小さく切っても型くずれがしないのが特徴。古来中国より伝わった形そのままだといわれている。
    0763-66-2234 7:00~19:00 不定休

  2. 塩硝の館

    加賀藩政時代、五箇山の一大産業であった塩硝(黒色火薬の原料)の製造を展示する資料館。五箇山民俗館と共に是非訪れたい。
    0763-67-3262 9:00~16:30
    入館料/300円(五箇山民俗館共通)

  3. 流刑小屋

    現存する唯一の流刑小屋(復元)で、御縮小屋ともいわれている。江戸時代、五箇山の8つの集落が加賀藩の流刑地だった。明治維新までの約200年間流刑で、150人余りが五箇山へ送られてきた。

  4. 五箇山「和紙の里」(道の駅たいら)

    国の伝統工芸品に指定されている五箇山和紙の手すき体験に挑戦できる「和紙体験館」。和紙のお土産も販売している道の駅。
    0763-66-2223 8:30~17:00
    手すき和紙体験/600円


おわら風の盆 前夜祭。

 「おわら風の盆」の混雑を分散し、ゆっくりと雰囲気を楽しんでもらえるようにと、昭和57(1982)年から始まった「おわら風の盆前夜祭」。8月20日から30日までの11日間、本番に向けて静かに高まりゆく雰囲気の中、毎日1町内で開催される。
 期間中越中八尾観光会館(八尾曳山展示館)では、風の盆の上映会や踊り方解説、おわらの舞台踊りが鑑賞できる「前夜祭ステージ」が行われる。20時からは当日の担当町内にて町流しがスタートする。
 特に前夜祭の醍醐味は輪踊り。一般観光客が観光会館でマスターした踊りを、本場の演奏に合わせて踊ることができる。町の順番は年により異なる。また前夜祭期間中の最終日曜日には、「おわらのど自慢大会」が行われるなど、本祭とは異なった楽しさが味わえる。ゆっくりと「おわら」を鑑賞し、一緒に踊ってみたいというのなら、前夜祭がおすすめだ。

 

「前夜祭おわらステージ」

会場/越中八尾観光会館(八尾曳山展示館)ホール(有料)
開場/17:30 開演:18:30~19:50(雨天決行)
料金/おわらステージ:1,500円

前夜祭「各町内」(輪踊り・町流し)

会場/富山市八尾町の11町内
開催時間/20:00~22:00(降雨時中断)
■問い合わせ/076-454-5138(越中八尾観光協会)

ホテル滞在で楽しむおわら風の盆。

演舞会場(富山市立八尾小学校グラウンド)

日時/9月1日(火)(19:00~21:00)
     9月2日(水)(19:00~21:25)
演舞場入場料/A指定席3,600円、B指定席2,100円

輪踊り・町流し

各町内(11支部)が決めたコースでの輪踊り・町流しが
ある。
日時/9月1日(火)・2日(水)(15:00~23:00)
     (17:00~19:00は休憩)
     9月3日(木)(19:00~23:00)

 おわらの里・富山県富山市八尾町は、富山県と岐阜県との県境に位置し、かつて「富山藩の御納戸」と称されるほど経済力豊かな町であった。「おわら風の盆」が開催される11の町は、「日本の道100選」に選定された通りや、歴史ある造り酒屋などが並ぶ、今もなお昔ながらの風情を色濃く残す坂の町である。
 初秋の風が吹き始める二百十日の9月1日、おわら風の盆の幕開けを迎える。町流しや輪踊りが中心で最も古くからある素朴な「豊年踊り」。舞踊的で主にステージなどで披露され新踊りと呼ばれる「男踊り」と「女踊り」。そしておわら節を唄い、三味線や胡弓、太鼓を奏でる「地方(じかた)」が、家並みに沿ってほんのりと灯るぼんぼりに照らされて街中を進む姿は、実に幻想的で濃艶だ。
 おわら節の起源は元禄15(1702)年、加賀藩から下された「町建御墨付」を町の開祖「米屋少兵衛家」から町衆が取り戻した祝いに、三日三晩歌舞音曲無礼講の賑わいで町を練り歩いたのが始まりとされ、やがて二百十日の風の厄日に風神鎮魂を願う「風の盆」と称する祭りに変化したという。静けさの中、舞い踊る、優美で哀愁を帯びた音色の「おわら節」を是非堪能してみたい。

  • 男踊りは「かかし踊り」ともいわれ、直線的で力強さの中にしなやかさがあり、農作業の所作を表している。

  • 女踊りは「四季踊り」ともいわれ、春夏秋冬それぞれに異なった所作がある。日舞の要素を取り入れた艶めきがある。

  • 他の民謡や邦楽ではほとんど使われない、独特の音色を奏でる胡弓が使用されるのも「越中おわら」の特徴。


加賀藩の英華、端龍寺を訪ねて。

 高岡市にある高岡山瑞龍寺は、曹洞宗の仏教寺院で加賀藩二代藩主前田利長公の菩提を弔うため三代藩主利常公によって建立された。
 御本尊は釈迦如来で、仏殿や法堂、山門の3棟が近世における禅宗様建築の代表作として平成9(1997)年、富山県内で初めてとなる国宝に指定された。また総門や禅堂、高廊下、回廊、大茶堂が重要文化財に指定されている。
 境内に一歩足を踏み入れると感じる清然とした雰囲気。豪壮にして典雅な美しさ。それは伽藍配置に特徴がある。山門、仏殿、法堂が一直線に並び、左右に回廊をめぐらし諸堂を対称的に配置するは中国の径山万寿寺にならったものという。そして目にも鮮やかな緑の芝生とのコントラストも美しい。それはまさしく江戸時代に栄華を誇った、加賀藩百二十万石の力ともいえる。この壮大な伽藍整備が完成したのは利長の五十回忌にあたる1663年頃だ。
 毎年4月28日~30日の3日間は「春のライトアップと門前市」が行われる。音楽に合わせてさまざまな色のライトで瑞龍寺を照らし出し、幻想的に浮かび上がるその姿は息をのむほどの美しさ。同時開催される門前市とともに楽しめる。

高岡山瑞龍寺

富山県高岡市関本町35
0766-22-0179  9:00~16:30
大人500円、中高生200円、 小学生100円

 

周辺マップ

瑞龍寺・藍配置図

砺波ロイヤルホテル

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