21世紀の新たなスタイルをめざす美術館

【大分県】日常的に人々が集まる 出会いと五感のミュージアム 大分県立美術館

日常的に人々が集まる 出会いと五感のミュージアム 大分県立美術館

大分県立美術館
大分県立美術館 ©Hiroyuki Hirai

大分市の昭和通り沿いに誕生した大分県立美術館

大分県立美術館[大分県]

大分県立美術館エントランス

ひときわ印象的なエントランス©Hiroyuki Hirai

設計は日本が世界に誇る建築家・坂 茂氏

大分県の特産である竹工芸をイメージさせる外壁の木組みのデザインが、ひときわ印象的な「大分県立美術館(OPAM)」。“五感で楽しむことができる美術館”〝出会いによる新たな発見と刺激のある美術館” “自分の家のリビングと思える美術館” “県民とともに成長する美術館”をコンセプトに、21世紀の新たなスタイルをめざす美術館として、昨年4月にオープンした。
敷地面積1万3518平方m、延べ面積1万6818平方mを誇る同館。3階建て美術館の設計は、2014年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家、坂 茂(ばん しげる)氏。坂氏は個人住宅から文化施設にまで革新的で上品な設計を手がけ、国内のみならず世界各国で活躍する建築家である。
「一般的に美術館というとブラックボックスで、中で何が行われているかは入ってみないとわからないことが多い。そのため本当はもっと多くの人が楽しめる場所であるのに、その機会を失ってしまっている。あまり美術館に行かない人たちをいかに引き寄せるか、そして美術を楽しんでもらい、日常的に人々が集まるような仕掛けを建築に与えた」と、アート愛好家に限らず社会に開かれる美術館をめざしたと話す坂氏。今回の設計においては、地域のだれもが気軽に立ち寄れるよう館内のいたるところに工夫が凝らされている。
オープン以来、大分ゆかりの作家の作品を中心にしたコレクション展や国際的な視野に立った自主企画展などを開催し、来場者数は開館より半年あまりで年間目標の50万人を突破。アートとふれあい、地域の人と人が出会う新たなコミュニティの場となっている。

自由に開かれた美術館 作家の世界観を身近に感じる

建物南側の1階は外からも館内の様子がわかるようにガラス張りで透明度が高く、2層吹き抜けのアトリウムを設けている。アトリウムはファサードを全面開放できるガラス水平折戸とし、オープンすれば前を走る昭和通との境界線が無くなり、屋外と屋内が一体化。まさに「開かれた美術館」を演出している。
チケットを買わなくても誰もが自由に出入りできる1階アトリウムには、「ユーラシアの庭」と題し、オランダのデザイナー、マルセル・ワンダースと日本のテキスタイルデザイナー須藤玲子による作品を展示している。1600年にオランダ船リーフデ号が大分の臼杵に漂着し、その後、日蘭交流の歴史が始まったという、このエピソードを現代に呼び覚ます。ユーラシアの輪廻転生を象徴するワンダースの「花々の面差し」に対するは、白い水草の下に生を営む須藤の「我らみな水生」。トップクリエイター二人によるアートの競演はアトリウムの大きな見どころだ。
3階には天に開かれた透明な中庭があり、ガラスで囲われた空に抜ける空間となっている。ここでは「天庭-工芸を超える現代三人衆」と題し、国内外で活躍する現代工芸作家3人による花園インスタレーションが展開されている。四季や自然の天候そのものをゆっくりと流れる時間の中、身体全体で体験してもらおうという趣向のもと、3人の作家によってつくられた。刻一刻と変化する光と空気に包まれるなか、心が宇宙へ放たれる開放感を感じることができる、まさに同館のコンセプトである出会いと五感のミュージアムを体感できるゾーンである。
また、ミュージアムショップやカフェ、ライブラリー、情報コーナーを設け、展覧会に興味がない人でも日常的に利用できるスペースになっている。

マルセル・ワンダース 《ユーラシアン・ガーデン・スピリット》 2015年

マルセル・ワンダース 《ユーラシアン・ガーデン・スピリット》 2015年

大分観光壁 《水府 覆水難収・フクスイオサメガタシ》 2015年

若手俊英の美術家ミヤケマイによる、水をテーマにしたインタラクティヴな体験型プール。大分観光壁 《水府 覆水難収・フクスイオサメガタシ》 2015年

須藤玲子 《ユーラシアの庭「水分峠の水草」》 2015年

須藤玲子 《ユーラシアの庭「水分峠の水草」》 2015年

《天庭(あまにわ)-工芸を超える現代三人衆》 「徳丸鏡子(陶)、礒﨑真理子(陶)、高橋禎彦(ガラス)」

《天庭(あまにわ)-工芸を超える現代三人衆》 「徳丸鏡子(陶)、礒﨑真理子(陶)、高橋禎彦(ガラス)」

ミュージアムショップ

自然光が降り注ぐミュージアムショップ©Hiroyuki Hirai

カフェ

カフェでは大分ならでのメニューが味わえる©Hiroyuki Hirai

美術館という心の遊び場で日本と世界、伝統とモダンが出会う

大分県立美術館は大分県立芸術会館が37年間にわたって収集してきた約5000点にのぼる作品や資料を引き継ぎ、至宝として保管しながらコレクション展で紹介するとともに、その魅力を広く国内外に向けて発信する。
大分では江戸後期から明治・大正にかけて南画文人画が大流行し、「豊後南画」として、特色ある地方文化を形づくってきた。その礎を築いた田能村竹田(1777~1835)や竹田に師事した高橋草坪(1804~1835)、帆足杏雨(1810~1884)らに加えて、大分の各藩で活躍した絵師らの作品や資料を紹介している。
さらに近代日本画史に大きな足跡を残した福田平八郎(1892~1974)、戦後の日本画壇をリードした髙山辰雄(1912〜2007)の代表作を所蔵。大分の洋画界では、大正洋画壇で活躍した片多徳郎(1889~1934)を中心に、佐藤敬(1906~1978)や宇治山哲平(1910~1986)らの作品ほか、大分を代表する竹工芸や、彫刻の作品も多数所蔵している。

展覧会
2016年の春
企画展「シアター・イン・ミュージアム」開催!

吉村益信 《反物質:ライト・オン・メビウス》 1968年 ステンレス、点滅灯 大分県立美術館

本展は、美術館にパフォーマンスが繰り広げられる「シアター」の要素を組み合わせ美術館のイメージを一新する企画です。岡山でライブハウス「ペパーランド」を主宰する傍ら、多岐にわたる表現活動を展開する能勢伊勢雄氏を監修者に迎え、能勢氏の写真や映像作品の他に、当館所蔵の吉村益信の作品なども展示し、写真、ライブ、映像、前衛芸術など、異なるジャンルの表現が共存する空間を構成し、「出会い」の場を創出する。
◆会場/1階 展示室A
◆観覧料/当日券一般1000円、大学生800円、小中高生600円
※4月11日(月)、25日(月)休展日※ライブの鑑賞には別途ライブチケット(展覧会観覧料込み)が必要です。

田能村竹田 《稲川舟遊図》 1830年頃

田能村竹田 《稲川舟遊図》 1830年頃

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大分県立美術館(OPAM)

大分県大分市寿町2番1号 ☎097-533-4500
日曜~木曜10:00~19:00 金曜・土曜10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
無休※企画展、コレクション展の準備・展示替え等で観覧ができない期間や、設備点検等により全館休館する場合あり

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